指輪を選ぶ際、金属アレルギーを心配する方もいらっしゃるでしょう。ひと口に金属アレルギーといっても、どの素材でアレルギー反応が起きるかは人によって違います。これまで金属アレルギーになったことがある方でも、素材の違いを正しく理解できていれば、アレルギー反応が出ない指輪に出会うこともできるでしょう。
そこで今回は、金属アレルギーが起こる仕組みやアレルギーが起きやすい素材、金属アレルギーの方の指輪の選び方についてご紹介します。これから婚約指輪・結婚指輪を選ぶ方や金属アレルギーが心配な方はぜひ参考にしてください。
金属アレルギーが起きにくい婚約指輪・結婚指輪の選び方とは?|アレルギーが起きやすい素材も紹介
金属アレルギーとは、金属が汗などに反応して起きるアレルギー反応のことです。金属アレルギーが起こる流れは下記の通りです。
(1) 金属製のピアスや時計などを身につけていると、金属が汗などによってイオン化します。
(2) イオン化した金属が皮膚のタンパク質と結びつき、もともと体内にはなかった異種タンパク質(アレルゲン)になります。
(3) 異種タンパク質を異物と判断した体が、防御のために免疫反応を起こし、炎症・かゆみ・水ぶくれなどが発生します。
これが「金属アレルギー反応」です。金属アレルギーはピアスや指輪といったジュエリーだけでなく、時計やメガネ、銀歯など、私たちの身近にあるさまざまなものが原因で発生する可能性があります。結婚指輪や婚約指輪は一生もののジュエリーなので、気になる方は皮膚科などで金属アレルギーの検査を受けておきましょう。
指輪で金属アレルギーが発生する原因は一般的に、指輪の地金に使用されている「割金」にあるとされています。では、割金とはいったいどういったものなのでしょうか。
そもそも割金とは、貴金属を目的の品位(純度)にし、硬さや加工性を調整して色調を作るために追加する金属です。割金の含有率は素材の品位を決定するものであり、たとえば、ゴールドの品位は純金の含有率によってK18やK22といった「K(カラット)」で区分されます。
割金は加工性においても重要です。純プラチナや純金は非常に柔らかい素材ですので、指輪として形作るには加工が難しく、硬度も十分でないといえます。そのため、金属を指輪として使用するには割金の役割が重要となります。
なお、ゴールドには黄金色のイエローゴールド以外にもホワイトゴールドやピンクゴールドといった色味がありますが、この色味の違いは割金のバランスによって作られているものです。
ジュエリーの素材には、一般的にゴールドやプラチナ、シルバーがよく使用されています。それぞれの素材に使用される割金についてまとめました。
ゴールド:銀や銅、パラジウム、ニッケルなど
プラチナ:銅、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、コバルトなど
シルバー:銅やパラジウムなど
このように、ジュエリーにはメインの金属以外にさまざまな割金が使用されています。
ここでは割金の中で金属アレルギーを引き起こしやすいとされる素材をご紹介します。なお、アレルギーは個人の体質によるものですので、これらの素材が必ずしもアレルギーを引き起こすというわけではありません。あくまで金属アレルギーの可能性がある方が特に気にすべき素材として参考にしてください。また、少しでもアレルギーの心配があれば皮膚科などを受診し確認されることをおすすめします。
銅は金属の強度を高める役割があり、ゴールド・プラチナ・シルバーのほとんどの指輪に割金として含まれています。ピンクゴールドの美しいピンク色は銅を多く含むことによって再現されていますので、特に婚約指輪・結婚指輪の地金でピンクゴールドを選びたい方はアレルギーがないかどうかチェックしましょう。
パラジウムもゴールド・プラチナ・シルバーのほとんどの指輪に割金として使用されていますが、特にプラチナやホワイトゴールドなどをより白く輝かせ、耐久性をアップさせる効果があります。プラチナ素材は通常アレルギーが出にくいとされていますが、パラジウムが割金として数%混ざることにより、アレルギー反応が起きる可能性があります。不安がある方はパラジウムの入っていないプラチナを選びましょう。
ニッケルはアレルゲンとして有名な素材です。金属を加工しやすくする効果があるため、身近な製品や硬貨などで広く使用されています。ゴールドの割金として使用されることが多く、特にホワイトゴールドなどで多く使用されるため、婚約指輪・結婚指輪でゴールドの地金を選びたい方は注意しましょう。
また、ニッケルとパラジウムは似た性質を持つことで知られています。ニッケルでアレルギー反応を起こす方は、パラジウムでもアレルギーが出る確率が高い傾向にあります。気になる方は皮膚科などで確認しておきましょう。
ここまで、金属アレルギーが起きる仕組みや金属アレルギーを起こしやすい素材などについてご紹介してきましたが、では金属アレルギーの方はどのように婚約指輪・結婚指輪を選べば良いのでしょうか。
金属アレルギーの方が注意して見るべきポイントは、割金の素材です。リングの素材には、プラチナやゴールドだけではなく、チタンやステンレススティールなど、アレルギーを引き起こしにくい素材もあります。
〈ニーシング〉では、プラチナやゴールドだけではなく、肌にやさしいステンレススティールのジュエリーもご用意しています。金属アレルギーをお持ちの方はジュエリーショップで相談し、素材選びから始めてみましょう。
婚約指輪・結婚指輪で金属アレルギーを発症したら、装着を控え皮膚科を受診しましょう。金属アレルギーは花粉症など他のアレルギーと同様、体内に入る金属がその人の許容量を超えることで発症します。そのため、指輪を身につけ始めた頃は何の反応もなくても、ある時を境にアレルギー反応が出てしまう可能性があります。
金属アレルギーは、皮膚科などでパッチテストを行うことによりアレルギーの有無や原因となる金属を特定できます。一度金属アレルギーになったら、すべてのジュエリーが身につけられないというわけではありません。原因となる金属を避ければ発症しないことも考えられますので、不安な方は指輪の素材に使われている金属や素材の構成をしっかり確認しましょう。
今回は、婚約指輪の金属アレルギーについてご紹介しました。
地金素材に含まれる割金はジュエリーの強度を保つために欠かせないものですが、その原因となる素材をしっかり知ることで、金属アレルギーの方でも理想の指輪を身につけることができる可能性は高まります。金属アレルギーの心配がある場合には病院へ行き、ご自身の体質や金属アレルギーの仕組みを理解して自分にぴったりの婚約指輪選びを実現しましょう。また、婚約指輪選びで悩んだ時にはブライダルジュエリーを扱うプロのスタッフへ相談しましょう。
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