結婚式で行われる結婚指輪の交換は中世ヨーロッパから続く愛の証明の儀式ですが、現在では洋装・和装にかかわらず結婚式で指輪交換をすることが多くなっています。
今回は、結婚指輪交換の意味から挙式スタイル別の違い、指輪交換の流れや美しく行うためのポイントなどをご紹介します。
結婚の際に使われる指輪は、切れ目のない円の形から永遠を表しています。愛する二人の門出にふさわしいアイテムです。
結婚指輪を女性に贈る習慣は、紀元前の古代ローマ時代からありました。しかし、結婚式の際にお互いに愛の証明として指輪を交換することは、古代ローマ時代ではまだありませんでした。
結婚の際に指輪を交換する習慣ができたのは、中世ヨーロッパ時代です。愛し合い夫婦になる2人が、目に見える形で愛の誓いを表現したものと言われています。
婚約指輪の意味や理由について知りたい方は、以下の記事もぜひ併せてご覧ください。
結婚指輪を交換するのは、もともとキリスト教の教会式のスタイルでした。しかし、現在では教会式以外の挙式スタイルでも指輪交換の儀式を行うことが増えています。
ここでは、挙式スタイルごとの指輪交換に違いについて紹介します。
教会式の挙式では、儀式のスケジュールに指輪交換の儀がもともと組み込まれています。チャペルで挙式を行うスタイルで、挙式を行うチャペルの教派などによって若干変わることはありますが、おおむね以下のように進行します。
神社、また式場に併設されている神殿などで神様の前で結婚の誓いを立てるのが神前式です。新郎も新婦も和装で行うことが多く、和風の結婚式となります。指輪交換は西洋から入ってきた文化ですが、宗教的な意味を持っていないので、神前式でも取り入れることは可能です。
挙式を行う神社によっては最初から挙式のスケジュールに指輪交換が組み込まれている場合もありますが、どちらかといえばないところのほうが多いようです。結婚指輪の交換は新郎新婦の意志で入れることができることが多いので、もし挙式スケジュールに入っていない場合は相談してみると良いでしょう。
仏前式の挙式は馴染みがないかもしれませんが、お寺などで行います。仏教には「結婚して結びついた2人は、生まれ変わった来世でもまた結ばれる」という教えがあります。その意味を考えると、とてもロマンチックな挙式スタイルといえるでしょう。
仏前式の挙式では指輪交換の儀式はありませんが、挙式を行う寺院に相談して、取り入れる対応をしてくれるところがあります。また仏前式では、指輪とは別に数珠を交換する「念珠交換」という儀式があり、指輪交換は念珠交換の後に行うのが一般的です。
人前式とは、神様や仏様に結婚の誓いや報告をするのではなく、参加しているゲストが証人になる形式の挙式スタイルです。演出などの自由度が高く、儀式よりイベント感が強く出せるのが特徴です。ゲストに参加してもらってリングリレーをしたり、結婚の誓いの言葉をアレンジしたりなど、新郎新婦の要望を強く反映できます。挙式自体の流れは式場などで決まっていますが、一般的には誓いの言葉の後に指輪交換をすることが多くなっています。
挙式で結婚指輪交換を行う場合は、流れを事前に把握しておくと本番で慌てなくて済みます。人生で一回しかない特別なイベントです。しっかり確認しイメージトレーニングしておきましょう。
新郎新婦の前に結婚指輪が運ばれてきます。教会式は牧師や神父、神前式は神職の人、仏前式は僧侶が運んできます。人前式ならリングボーイなど好みに合わせられるでしょう。
洋装の挙式では新婦がグローブをしている場合が多いですが、指輪交換は素手で行う必要があるので、指輪交換の儀になったら新婦はグローブを外します。
グローブを外す時は、「グローブマナー」と呼ばれる、美しく外すための一連の動作があります。本番で美しい儀式になるよう、式場などのスタッフに確認してみましょう。また、外したグローブやブーケなどを預ける介添人も必要になるので、立ち位置などもきちんと確認しておきましょう。
新婦がグローブを外して指輪交換ができるようになったら、新郎新婦が向かい合います。この時、挙式を取り仕切っている牧師や神父などが合図をするので、慌てずに合図があるまで待ちましょう。合図があったら、お互いの顔が見えるように向かい合います。
指輪交換では、先に新郎が新婦へ指輪をはめます。新郎は右手で指輪を受け取り、左手を新婦の左手下に添えます。
新婦は、左手を新郎へ差し出します。この時、肘が90度になる角度にして、手のひらを地面と水平にすると美しく見えます。新郎は、新婦の左薬指の第二関節まで指輪を通したら、添えてある左手で下から指輪を奥まではめます。
次は新婦が新郎の左薬指に同様に指輪をはめます。
結婚指輪は左薬指にはめるのが一般的です。実は指輪には、はめる指ごとに異なる意味があります。以下の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
>「結婚指輪・婚約指輪はどの指につける?それぞれの指が持つ意味」
指輪交換が完了したら、祭壇に向かってお互い前に向きを変えれば、指輪交換の儀式は終了です。このあと、教会式は誓いのキスに、神前式は誓いの言葉に移ります。
指輪交換をする際に気を付けたいのが、慌てず丁寧に行うことです。
指輪交換は結婚式の思い出として写真に残したい、絶好のシャッターチャンスの場面です。そのため、ゆっくりと丁寧に行いましょう。ゆっくり行うことで優雅に見せることができます。
本番では、指輪の通りを良くするために事前にハンドクリームで保湿しておくと良いでしょう。また、本番で指がむくんで指輪が奥まで通らない場合は、無理にはめなくても構いません。どうしても第二関節で指輪が止まってしまったら、無理せずそのまま過ごしましょう。ゲストとは距離が離れているので、気づかれることはまずありません。
指輪交換を華やかに演出したいなら、リングピローやリングベアラーを用意する方法もあります。
リングピローは、指輪を置いておくクッションタイプのものが多く、手作りする人もいます。リングベアラーは、親戚の小さい子どもやペットなどに指輪を運んでもらうことです。小さい子どもやペットのかわいらしさや予想外のハプニングなどで式が笑顔に包まれる効果もあります。
和婚では、指輪の代わりに水引のような赤い紐を左手の薬指に結ぶこともあります。和装と相まって風情ある演出になるでしょう。
指輪交換を挙式で取り入れるなら、結婚式当日までに結婚指輪を用意しなければいけません。
結婚指輪の納期は、既製品でも2週間〜1ヵ月程度、セミオーダーで1ヵ月〜3ヵ月、フルオーダーで3ヵ月〜6ヵ月程度を見込んでおく必要があります。そのため、結婚式の約半年前から指輪の検討を始めると良いでしょう。
〈ニーシング〉の指輪は基本的に受注生産で、お客様一人ひとりに合わせて作成します。そのため、注文から約4〜7週間ほどの納期となります。年末年始やGW、夏季期間中を挟む場合にはもう少し時間がかかる場合があるので、店頭でお確かめください。
結婚指輪を着け始めるのは、一般的に結婚式当日からです。結婚式当日にピカピカの指輪を身につけたいと考える人が多いようです。
しかし、結婚指輪をつけ始めるタイミングに明確に決まりはありません。入籍日や購入してすぐにつけ始めても問題はありません。夫婦で話し合い、自分達のタイミングで身につけ始めましょう。
婚約指輪をつけ始めるタイミングや、いつつけようか悩んでいる場合は、以下を参考にしてみてください。
>「婚約指輪はいつつける?ずっと身につけておきたい愛の誓い」
結婚指輪は一生身につける大切な夫婦の証。その始まりでもある結婚式での指輪交換は、一生の思い出に残るものになります。今回紹介した指輪交換の流れを自分達が考えている挙式スタイルに当てはめて考えておけば、素敵な本番が迎えられます。
永遠の愛の始まりの結婚指輪交換を、素敵な思い出にしてください。